Seattle Children’s (シアトル チルドレンズ)、Smartsheet を使用してカスタム外科治療の 3D 印刷を拡張
Smartsheet を使用することで、Seattle Children's (シアトル チルドレンズ) では多忙な臨床医の時間が新しいソフトウェアの習得にとられることなく、複雑な 3D 印刷リクエストや研究データを管理できます。
「Smartsheet のおかげで、やるべき仕事ができるようになりました。新しいデータベースを覚えることに時間をかけたくありません。外科医と話して、模型ガ役に立ったか、もっと良くするにはどうすればよいか話を聞く必要があるのです。そして Smartsheet は、そのプロセスと並行して稼働し続けます。」
Seattle Children’s (シアトル チルドレンズ)、イノベーション イメージングとシミュレーション モデリング担当マネージャー
Seattle Children’s (シアトル チルドレンズ) は未来の医療をデザインしています。同病院のカスタム治療プログラムには、外科医が複雑な手術をイメージして計画するために、リアルな解剖模型を作成する 3D 印刷の取り組みが含まれています。設計、計画の詳細、外科医が報告する結果はすべて Smartsheet で管理され、プログラムの進化に伴い、標準化と能力拡大のためのフレームワークが構築されます。
「私たちにはイノベーションが必要だと病院から言われています。」と Seattle Children's (シアトル チルドレンズ) のイノベーション イメージングとシミュレーション モデリング担当マネージャー Seth Friedman 博士は言います。「どうすれば病院内でイノベーションを起こせるかを、皆が考えてきました。今回のパンデミックによって、イノベーションが益をもたらすことを確信しました。そして今、私たちは先を見据えて、これを他の分野にどのように伝えるかを考える立場にあります。手術に大きく投資したのは、超軟質なものを印刷できる今のプリンターには、患者さんの治療に変化をもたらす非常に大きな潜在的価値があるからです。」
臨床/トランスレーショナル リサーチ センターで臨床研究の実用化に向けて取り組んでいる Friedman 氏は、継続的改善とイノベーション プログラムにおける 3D 印刷サービスを管理しながら、放射線研究を監督しています。Friedman 氏には、何年にもわたる研究プロジェクトのデータや画像ファイル、印刷リクエスト、外科医や研究者とのディスカッションを追跡できるソリューションが必要でした。そのソリューションは、他のプログラムのニーズに柔軟に対応し、できるだけ少ないステップで習得でき、しかも使いやすいものでなければなりません。
「私は、組織全体のすべての画像診断研究が通過する放射線コアを監督しています。」と Friedman 氏は言います。「1 通の電子メールが届くと、6 か月後にはたくさんのファイルが添付された電子メールを受け取ることになります。そして誰かがオフィスにファイルを持ってくることになります。こうした紙の書類とファイルをすべて管理しなければなりませんでした。問題は、研究を開始してから 2 年間進展がない場合、当初話した内容やプロトコルについて何も思い出せないということです。そのような中、Smartsheet を使って大量のファイルを 1 つのセルに入れておけば、ドキュメントを管理できることに気が付きました。Smartsheet には、スプレッドシート、カード システム、そしてドキュメントのリポジトリがあったのです。」
Friedman 氏たちは Smartsheet を採用する前に、プロジェクト管理ソフトウェアからオフィスツール、カスタム ビルドのデータベースまで、さまざまなプラットフォームを試しました。どれも最初の 6 か月は上手く機能するものの、新しい用途が出てくるとそれに柔軟に対応できず、また最初から探し直さなければなりませんでした。これに終止符を打ったのが Smartsheet です。
3D 印刷「工場」の基盤
Seattle Children's (シアトル チルドレンズ) の外科医は、Friedman 氏と協力して、小さな子供に対する複雑な手術をイメージして計画するための 3D 解剖模型を作成しています。たとえば、気管切開チューブを挿入するための子供の気道を確保したいといったリクエストがあった場合、Friedman 氏は、そのリクエストについて詳しく話し合い、医療画像を確認した後、プロジェクト情報を Smartsheet に入力して、リクエストを追跡し、データを印刷物のデザインに変換できるようにします。
模型を印刷して洗浄すれば、外科医はそれを使って手術する部位をより明確にイメージできるようになります。実際の大きさや特徴を 3D で確認できるため、一般的な解剖学的データや 2D/3D 再構成画像を使うよりも詳細な計画を立てることができるのです。また、模型を患者の家族と共有し、子供の治療方針を理解してもらうことも可能です。
「私たちがカスタム治療で行っていることの多くは、本当に真剣なもので、患者一人ひとりに合わせた内容になっています。」と Friedman 氏は言います。「私が本当に気にかけているメトリックは、この模型によって手術の意思決定が変わったかということです。作成した 10 個の模型のうち 1 つが意思決定を変えれば、それでいいのです。私たちにはダッシュボード システムがあり、それをデータの収集と表示のために最適化しようとしています。さらに、ストーリーテリングも使って、こうしたメトリックをより重要と思われる場面でどのように補強するかを考えたいと思っています。たとえば、医師に「なるほど、こうすればいいのか」と思わせた、骨盤の印刷によって明らかになった未知の要因は何だったのでしょうか。」
現在のプログラムは小規模で、Friedman 氏はこれを、家族経営の手作りチーズ店に例えています。しかし、リクエストの増加に伴って、Smartsheet をより標準化されたプログラム、つまりモデリングとデザイン、印刷、洗浄のための明確なプロセス手順と、予測可能な時間枠を備えたプログラムの基盤として使用することを検討しています。それぞれの印刷ジョブは、そのジョブに関連するそれぞれの患者と同様異なりますが、同僚が印刷プロセスの一部を管理しやすくなり、より多くの解剖模型を効率的に作成できるようになります。
「直線的なシステムであれば、プロジェクト ソリューションやデータベースの多くが非常に上手く機能します。」と Friedman 氏は言います。「でも、無秩序なシステムだったらどうでしょう?私は整理整頓があまり得意ではありませんが、無秩序な状態に対処するのが得意なので、何かを明日までに要求されても必ず対応できます。でも、他の人と一緒にやってくれと言われてしまうと、無秩序なシステムでは話になりません。それで、Smartsheet が頼りになります。私たちは、この Smartsheet を使用して、持続可能で一人を中心に回ることがなく、時間とともに変化する柔軟性を備えたシステムを構築しています。」
一人ひとりのスタイルに合わせたデータ リポジトリ
Friedman 氏は、放射線研究調査の画像データと記録の整理にも Smartsheet を使っています。それまで新患登録に数週間から数か月かかっていたことから、チームは 1 つの場所で研究デザインや要件を記録し、記憶に新しいものでなくてもすぐに確認しフォローできるようにする必要がありました。
「バインダーやドキュメント管理の特質は、実にひどいものです。」と Friedman 氏は言います。「たとえば 5 つの異なるサービス ラインがあり、そこにすべての電子ドキュメントを送信したとします。すると、1 人はそのドキュメントをリング ノートに綴じ、1 人は破棄し、1 人はグループ メール フォルダーに入れ、1 人は SharePoint に入れるのです。こうした問題を排除することができました。今では様式ごとにダッシュボードを公開しています。技術者はどのような研究調査があるかがわかっているため、新しい患者さんが来たときに、特定の研究プロセスの実行に必要な情報をすばやく入手することができます。」
臨床医が得意なことに専念できるプラットフォーム
研究インサイトを得るにしても、手術の技術を見直すにしても、Seattle Children's (シアトル チルドレンズ) のスタッフは、すべての子どもたちに希望、ケア、そして治療を提供するという使命を見失うことはありません。Friedman 氏たちは、新しいソフトウェア スキルやプロジェクト管理手法を学ぶ時間がいつもあるわけではありません。それが日常業務以外のことであればなおさらです。Smartsheet は使いやすく、インターフェイスも直感的であるため、最も重要なことに専念できます。
Friedman 氏は、Smartsheet を使用して印刷プログラムを拡張し、進化させたいと考えています。Smartsheet は、プログラム データをすぐに利用できるダッシュボード、繰り返しタスクを削減する自動化、プログラムのインサイトを生み出す分析、クラウドベースの容易なアクセスにより、詳細かつ柔軟性の高い機能を提供し、Seattle Children's (シアトル チルドレンズ) が目指すパーソナライズ レベルに対応します。
「今はまだ最初の段階で、1 年後の最終的な形に向けてこれから強化していきます。」と Friedman 氏は言います。「生産を最大化するつもりです。そのための「工場」を稼働させ、サイクル タイム、プロセス、影響に関するメトリックを得られるように、基本ツールを準備しているところです。生産が軌道に乗れば、それが学習システムになるよう最適化することができます。6 か月でカスタム データベースを作成し、それで終わりにしてしまうと、システム自体はそれほど変わらないように思えますが、私はシステムは大きく変わると思います。これこそが医療の本質です。」